ベビーコラーゲン注射の治療を始めます
20250120 #ブログ
一時期入手困難と言われていたベビーコラーゲン注射ですが、やっと当院でも取り扱うことになりました。
べビーコラーゲン注射は、ヒアルロン酸では難しかった小じわやちりめんじわ、さらには目の下のクマに効果的な治療です。肌細胞を活性化する作用もあり、効果の持続力が高くなります。ヒト由来のコラーゲンなのでアレルギーの心配が少なく、自然に仕上がるのが特徴です。
どのような方に向いている治療なのか、また他の製剤との使い分けについても説明します。
ベビーコラーゲンとは?
私たちの体には約30種類のコラーゲンがありますが、お肌の約70%はⅠ型とⅢ型のコラーゲンから構成されています。Ⅰ型コラーゲンは肌のハリ、弾力性を保つコラーゲンです。そのⅠ型コラーゲンをサポートしているのがⅢ型コラーゲンで、エイジングケアには欠かせない、肌の修復を促す役割を担っています。
このⅢ型のコラーゲンは別名“ベビーコラーゲン”とも呼ばれていて、成人になると通常5%まで減少すると言われるⅢ型コラーゲンですが、生まれたばかりの赤ちゃんの肌のコラーゲン組織は、Ⅲ型コラーゲンが50%(Ⅰ型コラーゲンが50%)含まれていると言われます。
この製剤は赤ちゃんの肌と同じくⅢ型コラーゲンが50%、Ⅰ型コラーゲンが50%含まれているコラーゲン注入剤であり、そのことがベビーコラーゲンの名前の由来となっています。
安全性の高さ
コラーゲン注入はヒアルロン酸注入より歴史は長く知名度も高い施術でしたが、従来のコラーゲン製剤は動物由来でアレルギーの心配が大きく、術前検査が必要などハードルの高いものでした。
ベビーコラーゲンはヒトの胎盤を由来とする唯一のコラーゲン製剤です。アレルギー反応などを起こす心配も少なく、なじみやすいという特徴から、皮膚が薄くてデリケートな部分(目元など)への施術に効果を発揮します。
こんな方に向いています
- 1.目の上や目の下の小じわが気になる
- 2.目の下のクマ(色、段差)が気になる
- 3.クマ取り手術後のくぼみが気になる
- 4.しわだけでなく肌そのものを若返らせたい
- 5.凹凸のない自然な仕上がりにしたい
効果の持続期間
使用する薬剤の量や施術前の状態にもよりますが、十分な効果は半年から1年程度とされ、その後約2~3年かけて体内に吸収されていきます。また、蓄積効果があるとされ、繰り返し注入すると効果の持続期間が延びていきます。主に小じわに対しては、ベビーコラーゲンには肌を活性化する作用があり、体内に吸収されていく過程でもエイジングケア効果を発揮し続けてくれます。
〈持 続 期 間〉 :半年~約1年(定着に約1カ月かかります)
〈推奨治療期間と回数〉:3ヶ月~6ヶ月毎に1回を繰り返し
※初回の方は3ヶ月以内に2回目の注入を行うことにより効果の持続や肌質改善の向上がさらに得られます。
注意点・副作用
- 注入した患部に1~2週間程度、赤みやむくみ、内出血が出ることがあります。
- 白く浮き出ることがありますが、約1ヶ月で吸収され消失します。
- 広範囲の治療の際は、麻酔の併用をお勧めします。(麻酔テープ、麻酔クリーム、笑気麻酔)
- 肌の状態によっては、ヒアルロン酸などの他の製剤をお勧めさせていただくことがあります。
- 当クリニックで使用しているものは、ヒューマラジェン(Humallagen)と呼ばれる米国RMI社にて安全制や有効性を実証された製剤です。
実際の治療では
ベビーコラーゲンは目周りに特化した注入剤です。小じわであればどこにでも使用できるので、例えば法令線や額の折じわにも使用することはありますが、皮膚の厚みがある部位では、当院のツヤ肌注射(ポリヌクレオチド)ボライト(ヒアルロン酸)など他の製剤を使用した場合と仕上がりがあまり変わりません。院長 西村 枝里子
しかし目の下の部分はとても皮膚が薄いため、眼輪筋の色が複雑に透けて茶色っぽく見えたり、青っぽく見えたりして、色に関するお悩みが出やすい部位です。また、目袋の下の部分は脂肪がやせてしまいやすいため、段差のお悩みも出やすい箇所です。
これらのお悩みに対して、乳白色をしているベビーコラーゲンを注入すると、皮膚下組織の色が透けにくくなり、茶くま・青くまなどの色に関する悩みが改善できます。 目の下のわずかな段差や色のお悩みに対して、ヒアルロン酸で治療しようとすると、チンダル現象という皮膚が不自然に透けて見えるリスクが生じます。
製剤の使い分けについてですが、当院では小じわ治療に対してツヤ肌注射もよく使用しております。「目の下全体にハリを出したい」など治療範囲が広い場合にツヤ肌注射を(1本あたり1~1.2cc)、より狭い範囲の治療にベビーコラーゲン(0.1ccずつ使用)を使用することを勧めています。その他、深いしわにはヒアルロン酸とベビーコラーゲンを、注入する層を変えて使用することがあります。
お客様ご自身で、ベビーコラーゲンが良いのか、ヒアルロン酸が良いのか、判断が難しい場合もあります。お客様のご希望や、お肌の状態により、どのような方法がベストであるのか、最適な方法をカウンセリングでご提案させていただきます。まずはじっくりとお悩みやご希望をご遠慮なくお聞かせください。